当クリニックで使用している注射の説明です(あいうえお順)
- HMGフジセイヤク 下垂体性性腺刺激ホルモン剤
- HCG3,000 (HCG3000単位)(胎盤性性腺刺激ホルモン剤)
- ガニレスト(GnRHアンタゴニスト)
- ゴナールエフ(75,150 IU)/ゴナールエフペン(300,450,900 IU)遺伝子組み換えヒト卵胞刺激ホルモン(FSH)製剤
- フォリルモンP 卵胞成熟ホルモン(FSH)製剤(75単位、150単位)
- オビドレル(コリオゴナドトロピンアルファ(遺伝子組み換え))
- プロギノン・デポー筋注 10mg(エストラジオール吉草酸エステル注射薬)
- プロゲステロン(プロゲステロン50mg)(黄体ホルモン製剤)
- プロゲストン・デポー筋注 125mg(持続性黄体ホルモン製剤)
- HMG注射用フェリング(75,150 IU)ヒト下垂体性性腺刺激ホルモン剤
HMGフジセイヤク 下垂体性性腺刺激ホルモン剤 | |
---|---|
作用 | 卵巣を直接刺激して卵胞発育を促します。生理開始2~7日目頃から使用して卵子の発育を促し、hCG製剤に切り替えて排卵を起こし、妊娠率を向上させます。 |
使用目的 | 排卵誘発(卵子を育てるため)に使用します。排卵が正常に起こる方でも不妊治療の妊娠率を上げるために使用する場合もあります。注射により排卵数が増加し、妊娠率が上昇します。 |
副作用 | 卵巣過剰刺激症候群(OHSS:卵巣がひどく腫れて体調が悪くなること)を起こすことがあります。ひどくなると、腹水の貯留、血栓症、心筋梗塞、脳梗塞等の症状を引き起こすことがあり、注意が必要です。症状が軽い場合は安静にして様子をみますが、重い場合には治療(入院)が必要になることもあります。 お腹がひどく張る、お腹が痛い等の症状がある場合にはすぐに連絡して下さい。HMGフジセイヤクの注射により排卵数が増加し、多胎妊娠率が上昇しますが、先天異常(ダウン症等)が増えるという報告はありません。その他、発赤、悪心、発疹、頻尿、しびれ、頭痛、浮腫等の症状が現れることがありますので、異常がありましたら相談して下さい。 |
使用方法 | 生理開始2~7日目から筋肉注射をします。注射部位を良く揉んで下さい。注射は通常卵子が育つまで続きますが、場合によって使用法が異なります。注射をする場合には、2~3日おきに診察をして注射の回数、量を調節します。 危険な場合には治療を中止することもありますので、使用法については医師の指示に従って下さい。注射後、痛みがしばらく続くことがありますが、心配ありません。注射部位の手、足が痺れる場合にはすぐに連絡して下さい。 |
HCG3,000(HCG3000単位)(胎盤性性腺刺激ホルモン剤) | |
---|---|
作用 | 卵巣を刺激し、卵巣からのホルモン(卵胞ホルモン、黄体ホルモン)の分泌を促します。 高温相を持続させる作用もあります。 |
使用目的 | 黄体機能不全症の改善等に使用します。男性不妊症等にも用いられます。 |
副作用 | 下垂体性性腺刺激ホルモン製剤(フォリスチム、HMG、フォリルモンP)を使用した後に、hCGを投 与した場合、重篤な卵巣過剰刺激症候群(卵巣がひどく腫れる事)が起こることがあります。排卵後、卵巣が腫れているときには通常使用しません。軽い場合は 安静にして様子を見ますが、症状が重いときには治療が必要(入院)になることがあります。お腹がひどく張る、痛みがきつい等の症状がある場合はすぐに連絡してください。 |
使用方法 | 筋肉注射をします。注射部位を良くもんでください。痛みがしばらく続くことがありますが心配要りません。注射部位の手、足がしびれる場合にはすぐに連絡して下さい。 |
ガニレスト(GnRHアンタゴニスト) | |
---|---|
作用 | 卵巣刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)の分泌を抑制して排卵を抑える薬です。 通常、排卵誘発剤(フォリスチム)等と同時に使用します。 |
使用目的 | 体外受精、顕微授精を行う場合、タイミング良く良い卵子を採取するために使用します。 |
副作用 | 副作用として、注射した部位の局所反応(紅斑、痒み、浮腫等)が報告されています。症状は一時的で軽度なもので、ほとんどの場合は数時間で回復します。発赤等の局所反応が起きた場合はしばらく様子をみて下さい。もし、他に咳、発疹等の全身症状が起きた場合は連絡して下さい。 |
使用方法 | 生理開始から排卵誘発の薬、または注射で卵子を成熟させ、卵胞の直径が14mm以上に成長したらガニレストの投与を開始します。卵胞の直径が18mm以上になるまで、排卵誘発剤と同時に下腹部、太もも等に毎日皮下注射します。皮下注射の場合、注射部位を揉まないで下さい。注射部位が赤く腫れたり痒くなったりすることがありますが、掻かないで下さい。 |
ゴナールエフ(75,150 IU)/ゴナールエフペン(300,450,900 IU)遺伝子組み換えヒト卵胞刺激ホルモン(FSH)製剤 | |
---|---|
作用 | 遺伝子組み換えの方法を用いて合成された、純度の高いFSH(下垂体性性腺刺激ホルモン)です。卵巣を直接刺激して、卵胞発育を促します。通常、生理開始2~3日目から数日間(6-14日程度)連続して投与します。 |
使用目的 | 不妊治療で、卵子を育てる目的(排卵誘発剤)で使用します。一般不妊治療、高度不妊治療ともに利用します。 |
副作用 | 卵巣過剰刺激症候群(OHSS:卵巣がひどく腫れて体調が悪くなること)を起こすことがあります。ひどくなると、腹水の貯留、血栓症、心筋梗塞、脳梗塞等の症状を引き起こすことがあり、注意が必要です。症状が軽い場合は安静にして様子をみますが、重い場合には治療(入院)が必要になることもあります。お腹がひどく張る、お腹が痛い等の症状がある場合にはすぐに連絡して下さい。ゴナールエフの注射をすると排卵数が増加し、多胎妊娠率が上昇しますが、先天異常(ダウン症等)が増えるという報告はありません。その他、発赤、悪心、発疹、頻尿、しびれ、頭痛、浮腫等の症状が現れることがありますので、異常がありましたら相談して下さい。その他の重篤な副作用としては、血栓症(心筋梗塞、脳梗塞等)が報告されています。足の痛み、突然の息切れ、胸痛、目のかすみ等の異変があったら、使用を中止してすぐにクリニックに連絡して下さい。 |
使用方法 | 通常、生理中から数日間(6~14日程度)連続して皮下注射をします(筋肉注射でも可)。皮下注射の場合は、注射部位を揉まないで下さい。注射をする時は、数日おきに卵巣を診察して注射の回数、量を調節します。危険な場合には治療を中止することもありますので、使用法については先生の指示に従って下さい。注射後、痛みがしばらく続くことがありますが、心配ありません。注射部位が痺れる場合にはすぐに連絡して下さい。 |
フォリルモンP 卵胞成熟ホルモン(FSH)製剤(75単位、150単位) | |
---|---|
作用 | 卵巣を直接刺激して卵胞発育を促します。生理開始2~7日目頃から使用して卵子の発育を促し、hCG製剤に切り替えて排卵を起こし、妊娠率を向上させます。 |
使用目的 | 排卵誘発(卵子を育てるため)に使用します。排卵が正常に起こる方でも不妊治療の妊娠率を上げるために使用する場合もあります。注射により排卵数が増加し、妊娠率が上昇します。 |
副作用 | 卵巣過剰刺激症候群(OHSS:卵巣がひどく腫れて体調が悪くなること)を起こすことがあります。ひどくなると、腹水の貯留、血栓症、心筋梗塞、脳梗塞等の症状を引き起こすことがあり、注意が必要です。症状が軽い場合は安静にして様子をみますが、重い場合には治療(入院)が必要になることもあります。 お腹がひどく張る、お腹が痛い等の症状がある場合にはすぐに連絡して下さい。この注射により排卵数が増加し、多胎妊娠率が上昇しますが、先天異常(ダウン症等)が増えるという報告はありません。その他、発赤、悪心、発疹、頻尿、しびれ、頭痛、浮腫等の症状が現れることがありますので、異常がありましたら相談して下さい。 |
使用方法 | 生理開始2~7日目から皮下注射をします(筋肉注射でも可)。皮下注射の場合、注射部位を揉まないで下さい。注射は卵子が育つまで続きますが、場合によって使用法が異なります。注射をする時は、2~3日おきに卵巣を診察して注射の回数、量を調節します。 危険な場合には治療を中止することもありますので、使用法については医師の指示に従って下さい。注射後、痛みがしばらく続くことがありますが、心配ありません。注射部位の手、足が痺れる場合にはすぐに連絡して下さい。 |
オビドレル(コリオゴナドトロピンアルファ(遺伝子組み換え)) | |
---|---|
作用 | 卵巣を刺激し、卵巣からのホルモン(卵胞ホルモン、黄体ホルモン)の分泌を促します。高温相を持続させる作用もあります。本剤は、日本初の遺伝子組み換えゴナドトロピン(hCG)です。 |
使用目的 | 黄体機能不全症の改善等に使用します。生殖補助医療においては、卵胞成熟及び黄体化に効果があります。 |
副作用 | 下垂体性性腺刺激ホルモン製剤(HMG製剤)を使用した後にオビドレルを投与した場合、重篤な卵巣過剰刺激症候群(卵巣がひどく腫れること)が起こることがあります。軽い場合は安静にして様子をみますが、症状が重いときには治療が必要(入院)になることがあります。お腹がひどく張る、痛みがきつい、等の症状がある時には、すぐに連絡して下さい。その他の重篤な副作用としては、血栓症(心筋梗塞、脳梗塞等)が報告されています。足の痛み、突然の息切れ、胸痛、目のかすみ等の異変があったら、使用を中止してすぐにクリニックに連絡して下さい。 |
使用方法 | 単回皮下注射をします。注射部位に紅班が出たり、痛みがしばらく続くことがあります。注射部位の手、足がしびれる場合にはすぐ連絡して下さい。 |
注意 | オビドレルは赤ちゃんの出すホルモンと同じ物質です。注射後、1週間程度は妊娠判定が(+)に出ますが、妊娠しているとは限りません。 |
プロギノン・デポー筋注 10mg(エストラジオール吉草酸エステル注射薬) | |
---|---|
作用 | 子宮に作用して内膜を肥厚させ、受精卵の着床を促します。また生殖器官の発育を促進させ、妊娠しやすくする働きもあります。 |
使用目的 | 月経不順や無月経の治療、子宮発達不全症の治療、更年期障害、不妊症の治療、等に用いられます。 |
副作用 | 乳房痛、乳房緊満感、不正出血、過敏症、頭痛等があります。危険な症状ではありませんが、不快感が強い場合には相談して下さい。重篤な副作用としては、血栓症(心筋梗塞、脳梗塞等)が報告されています。足の痛み、突然の息切れ、胸痛、目のかすみ等の異変があったら、使用を中止してすぐにクリニックに連絡して下さい。 また、エストロゲン依存性悪性腫瘍(乳がん、子宮内膜癌等)を悪化させることがありますので、乳がん、子宮がんの疑いのある方は使用出来ません。 |
使用方法 | 1回10mgを筋肉注射します(腕、おしり)。注射部位を良く揉んで下さい。デポ剤は油性注射薬で量が多く粘度が高いため、痛みが強いことがあります。痛みがしばらく続く場合がありますが心配いりません。注射部位の手、足がしびれる場合にはすぐに連絡して下さい。 |
プロゲステロン(プロゲステロン50mg)(黄体ホルモン製剤) | |
---|---|
作用 | 子宮に作用して内膜をを肥厚させ、受精卵の着床を促します。また、体温を上昇させ、黄体期と同じ状態を作る作用もあります。そのため、妊娠中の方には、赤ちゃんの流産を予防する働きがあり、妊娠していない方では数日以内に生理を起こさせる作用があります。 |
使用目的 | 無月経、機能性子宮出血、切迫流早産、黄体機能不全による不妊症等の治療に用います。 |
副作用 | 浮腫、発疹、悪心、嘔吐、下痢、頭痛、眠気、倦怠感等の症状が現れることがあります。もし、異常がありましたらすぐに連絡して下さい。症状によっては薬を中止したり、量を増減させる場合があります。 |
使用方法 | 筋肉注射をします。注射部位を良くもんでください。痛みがしばらく続くことがありますが心配要りません。注射部位の手、足がしびれる場合にはすぐに連絡して下さい。 |
プロゲストン・デポー筋注 125mg(持続性黄体ホルモン製剤) | |
---|---|
作用 | 子宮に作用して内膜を肥厚させ、受精卵の着床を促します。また、体温を上昇させ、黄体期と同じ状態を作る作用もあります。その為妊娠中の方には、赤ちゃんの成長を助ける働きがあり、妊娠していない方では数日後に生理を起こす作用があります。 |
使用目的 | 黄体機能不全(黄体ホルモンの分泌が不十分な場合)による不妊症、月経不順や無月経の治療、切迫注早産、習慣性流早産、妊娠初期の流産の予防、等に用いられます。 |
副作用 | 生理前(高温期)と同じ状態になり、人によっては頭痛、倦怠感、眠気、浮腫、胸の張り、等を訴える場合があります。危険な症状ではありませんが、不快感が強い場合には相談して下さい。 重篤な肝障害、肝疾患のある方は、症状が憎悪することがありますので使用はお控え下さい。 その他、発疹、頭痛、眠気、倦怠感、疼痛、発赤等の症状が現れることがあります。体調に異変があった場合はすぐにクリニックにご連絡下さい。 |
使用方法 | 筋肉注射をします(腕、おしり)。注射部位を良く揉んで下さい。デポ剤は量が多く粘度が高いため、痛みが強いことがあります。痛みがしばらく続く場合がありますが心配いりません。注射部位の手、足がしびれる場合にはすぐに連絡して下さい。 |
HMG注射用フェリング(75,150 IU)ヒト下垂体性性腺刺激ホルモン剤 | |
---|---|
作用 | 卵巣を直接刺激して卵胞発育を促します。生理開始2~7日目頃から使用して卵子の発育を促し、hCG製剤に切り替えて排卵を起こし、妊娠率を向上させます。 |
使用目的 | 排卵誘発(卵子を育てるため)に使用します。排卵が正常に起こる方でも不妊治療の妊娠率を上げるために使用する場合もあります。注射により排卵数が増加し、妊娠率が上昇します。 |
副作用 | 卵巣過剰刺激症候群(OHSS:卵巣がひどく腫れて体調が悪くなること)を起こすことがあります。ひどくなると、腹水の貯留、血栓症、心筋梗塞、脳梗塞等の症状を引き起こすことがあり、注意が必要です。症状が軽い場合は安静にして様子をみますが、重い場合には治療(入院)が必要になることもあります。お腹がひどく張る、お腹が痛い等の症状がある場合にはすぐに連絡して下さい。HMGフジセイヤクの注射により排卵数が増加し、多胎妊娠率が上昇しますが、先天異常(ダウン症等)が増えるという報告はありません。その他、発赤、悪心、発疹、頻尿、しびれ、頭痛、浮腫等の症状が現れることがありますので、異常がありましたら相談して下さい。 |
使用方法 | 生理開始2~7日目から筋肉注射をします。注射部位を良く揉んで下さい。注射は通常卵子が育つまで続きますが、場合によって使用方が異なります。注射をする場合は、2~3日おきに診察をして注射の回数、量を調節します。 危険な場合には治療を中止することもありますので、使用法については先生の指示に従って下さい。注射後、痛みがしばらく続くことがありますが、心配ありません。注射部位の手、足が痺れる場合にはすぐに連絡して下さい。 |